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Radio Program

04th June 2024

The pride of Ginza

銀座の矜持
「クラブ由美」が40年間、一流を続けられた理由

Special Guest:ITO YUMI

スペシャルゲスト:伊藤 由美さま / 銀座「クラブ由美」オーナーママ


ー 敷居が高い銀座でも、とりわけ敷居が高い本日の場所、クラブ由美にお邪魔しております。本日お話を伺うのは、伊藤由美さんです。『銀座の矜持 クラブ由美が30年間一流を続けられた理由』など、数多くのご出版もなされています。ここからは「由美ママ」でよろしいでしょうか?

もちろんです。よろしくお願いいたします。

ー 名古屋から銀座に飛び出されたのが、まだ10代の頃?

そうなんですよ。私が17歳の夏休みのことです。好きだった男性がいたんです。彼は現在、某所でバーを経営していますが、当時は東京芸大に行って一流の画家になるという夢を持っていました。彼は旭ヶ丘高校の美術部の学生でした。その男性に恋をしていますから、私も東京に行ってみようと思ったんです。幸い、私の父は東大卒で、妹や兄も慶應に進学していたので、東京には縁がありました。

私たちの同級生も何人か東京に進学していました。私も進学のつもりだったのですが、、今では銀座大学にでも入ったと思っています。その方が絶対に勉強になったと思います。

ー どうして銀座のママに?

本当にタイミングと運が重なり、私の人生が変わりました。林芙美子さんの短編にある「夜猿」を読んだ時、画家の青木茂のことを知ったんです。生命への滾る思いに圧倒される文章に出てきた「カフェの女給」という言葉がなぜか私の心に響きました。当時は、キャバ嬢が今ほど華やかな職業ではなく、生活のために働く女性が多かったです。でも、私は逆に「やってみたい」と思いました。芸大生と知り会わなければ、林芙美子さんの作品を知らなかったかもしれません。銀座の扉を開けたことに感謝しています。今も彼には感謝しています。

ー 数多くのご著書を出版されています。特に「一流」という言葉に響きました。

確かに、うちのお客様には非常に文化的な表現が優れた方がいらっしゃいます。その方の評価では「高級はいくらでもある」と言います。つまり、お金をかければ内装や美品などは整えられる。しかし、一流とは何かと問われると、「客層」にあらわれると思います。客層とその場の雰囲気が重要なのです。一流を目指すには、自分が一流だと言ってもそうはなりません。社会から、周りから一流と認められなければならないと思います。

今は自分からお客様を選ばせていただいていますが、昔は自分が来ていただきたいお客様に選んでもらうことから始まります。最初はお客様に選ばれなければならなかったんです。出会いは誰にでもありますが、それを自分に向けてもらいたい。そして、自分のお店を使っていただき、可愛がっていただき、常連になってもらいたい。そのためには信頼を勝ち取る必要があります。

思いを伝えるために、今は何でも通信で簡単に伝えられますが、昔は恋愛も手紙から始まりました。ラブレターを書くことで、文字に恋をすることもありました。私たちも昔は、フランス文学を読みながら素敵なラブレターを書こうと努力しました。もちろん、翻訳を参考にしていましたが。

ー 毎日クラブ由美に立たれているのですよね。

それだけ健康なんだと思いますよ。私の本の中に『スイスイ出世する人、デキるのに不遇な人』があるのですが、デキる人は風邪をひかないと書いています。なぜかというと、例えば明日、大切な契約や受験など、人生において重要な時に熱が出たから行けないとなると話になりません。だから、そうならないように常日頃から自分で節制し、絶好調に持っていかないといけません。せっかく楽しみにしていたのに、風邪をひいたという方はやっぱりダメだと思いますね。仕事ならなおさらです。

今年初めに主人を亡くしましたが、本当にお店とスタッフ、お客様に支えられて頑張っています。皆さんが心配してくださる中で、泣けないです。だからこそ毅然として頑張らなければと思っています。私が仕事をしている時に主人が亡くなりましたから、なおさら休んではいけないと思います。しめっぽくなりましたが、、、大丈夫です。

ー 本当に素晴らしい方と出会われてこられたのですね...

いい方は、いい方の集まりが相乗効果を生み出し、私もそれで随分、自分自身も飛躍できたと思っています。うちの主人と私の人脈もそうですが、さらにパワーアップし、本当に感謝しています。また、エネルギーについても考えています。多くの方にお会いしていると、そのエネルギーをいただいていると思います。良い縁を引き寄せ、自分の中に取り入れることで、41年間やってこれたのだと思います。

あと、人を大切にできない人はダメ。だって、人を大切にして初めて人間関係が生まれます。自分一人では、絶対できないので、人を大切にしない方はダメですね。

ー 大切とは「大きく切る」と書きます。切り方、もあるのでしょうか。

悪縁は切った方がいいですね。悪縁は切った方がいい。やっぱりろくなことないです。ごめん、ちょっと言い方悪いかな笑

『断り上手』って本も出してるんですよ。若い時は断れなくて、恋愛も含めて人がいいっていう単なるバカだったんです。でも、自分が騙すよりは、騙される方がまだいいと思っています。それも修行だと思っていますから。

ー 一流を目指し、頑張ります。

まだお若いですからね。30代、40代なんておこちゃまですよ。ちなみに、女性は50から、男性は70からというのが私のモットーです。70歳で青春70と思っていますから、そこまで頑張って生き延びないといけません。そのためには自分がきちんとしていなければならないと思います。だから、「もう年だ」とか「もう50」と思わず、「まだ50」と思っていただきたいです。

ー 今後ともよろしくお願いします!

こうしたご縁を紡いでいければと思っております。今日はありがとうございました。