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02th July 2024

The strongest business fighting profession

最強のビジネス戦闘力を持つ職業
COO代行とは? 新時代を作るジェネラリストとしての働き方

Special Guest:NOBUKUNI DAISUKE

スペシャルゲスト:信國 大輔さま / 株式会社びりかん 代表取締役


ー 本日のスペシャルゲストは、「COO代行 それは最強のビジネス戦闘力を持つ職業」の著者で、株式会社びりかん 代表取締役である信國大輔さんです。早速ですが、COO代行、とは一体どういう職業なのでしょうか。

COO代行とは、企業の経営陣やオーナーに代わって、企業の日常運営や業務の最適化を実施する役割を担う職業のことです。特定の企業に常駐するのではなく、複数の企業と契約して、その企業のニーズに応じたマネジメント業務を提供します。これにより、COO代行は様々な業界や企業の課題に柔軟に対応することが求められます。

また、確かにCOO代行は高度なスキルを要求されますが、これらのスキルは学び、実践を重ねることで身につけることができます。私自身も、最初から全てのスキルを持っていたわけではありません。日々の業務や学びを通じて成長し、現在の地位を築いてきました。適切な教育やトレーニングを受け、実践の場で経験を積むことで、COO代行として成功することができると考えています。

ー 具体的にはどう活動しているのでしょうか?

実際、お手伝いしている中では、週1回ほどお伺いして、あらゆるセクションの会議を回して推進するような感じです。やり方次第では実務まで全部手をかけるのは難しいですが、現場を信頼して任せることで全体の指揮を取るということは、慣れてしまえば可能だと思います。実際に私は常時、少なくとも10社以上はお手伝いしていて、一番多い時で20社ほどになることもあります。その中でもお客様には非常に喜ばれているので、十分トライできると思っています。

ちなみに私、現状でこの職業を約18年、もう20年近く続けているんですよね。経歴が浅い頃は、週1とはいえ結構どっぷり1日その会社に行く感じでした。しかし、経験が増えてきたので、今では週2〜3時間お手伝いするぐらいでも、結構しっかり回せるようになっています。

私から言わせると、COO代行は、ある意味事業のトップなわけですから、通常戦略を立てたら戦術を組み立て、その後手段に行くわけです。トップの人間なので、戦術や手段はもうやらないわけです。どちらかというと戦略に関わる仕事なので、基本的には頭を使う仕事の方が多いわけです。そういう部分になってくると、別に常時いなくてもなんとかなってしまうんですね。

でも、多くの人がこれが難しいんじゃないかと思うのは、おそらく人身掌握や合意形成など、人に関わる部分でしょう。週1ぐらいしか来ない人にそんなに人がついていくのか?リーダーとして成り立つのか?という話です。その部分が結構スキルとして私はEQ(心の知能指数)と呼んでいます。一般的に使われる用語でもありますが、そういったスキルも磨いているので、外部でわずか週何時間しか関わらなくても、全社を巻き込んでIQ的にもEQ的にも会社を引っ張ることができている感じですね。

ー 経営コンサルタントとの違いはどう考えれば良いでしょうか?

ほとんどのコンサルタントやコーチングの方々、あるいは研修講師など、多くの方がクライアントを支援する際には、お客様として支援するというスタンスになりますよね。言い方を悪くすると、あくまで外部の立場からアドバイスをしたり、何か介入をするというスタンスです。

COO代行やCXO代行の場合、何が大きく違うかというと、そのスタンスの違いです。完全に内部の人間として関わるんです。お客様扱いを全くしません。契約したその瞬間から、自分の部下として扱い、「お前、これどうなってんだ?」と問いかけたり、「もっと俺たちの会社を頑張るぞ」といったトーンでお手伝いを始める。これが大きく違う点かな、というふうに思いますね。

ー 関わられる方から反発などはないのでしょうか?

現場の皆さんの困っていることをまずお聞きするところから始めます。場合によっては社長に退席していただいて、愚痴でもいいから聞かせてもらうんです。そうすると、社長も幹部も社員もみんなが抱えている困りごとを話したいという欲求があるので、割とたくさんの情報が出てくるんですね。

それを汲み取った上で、社内調整をしっかり行います。例えば、社長が意見を通したいけれど、みんながなかなか言うことを聞いてくれない場合、その意見を他の人が聞きやすいように持っていく。幹部が社長とのやり取りで困っていたら、その幹部の話をうまく社長に伝えて承認を得るようにする。あるいは社員が幹部や社長の要求を無理だと思っている場合、「ここさえあればなんとかなる」と具体的な解決策を提案し、それを上に進言するなど、上下間の調整を行います。

こうして手伝い始めると、3ヶ月から4ヶ月が経つころには、社長も幹部も社員も「のぶくりさんに相談すればなんとかしてくれそうだ」と思うようになり、自然と人心が集まるようになります。

ー 最初から、COO代行という職業を志向されていたのでしょうか?

一番最初の頃は「COO代行」とは名乗っていませんでした。私の得意分野がマーケティングだったので、当初は「マーケティングコンサルタント」として活動していた時期もあります。しかし、ベンチャー企業や中小企業には課題が山のようにあるので、一つ解決すると次々に「これもなんとかならないか」「あれもなんとかならないか」と頼まれることが増えていきました。こうして様々な問題に対応しているうちに、今のような形になったのです。

最初は「なんでも屋さん」と呼ばれていましたね。「この会社の問題解決は俺がするんだ」という主体性を持って取り組んできたという感じです。この主体性の塊のような働き方が、いつしか現在の「COO代行」という形に発展していったのだと思います。

よく外部のコンサルタントが来て、「うるせーな、この野郎。外部のくせにごちゃごちゃ評論家みたいなことを言いやがって」と思ったことがあるかもしれません。そう思うのは、結局そのコンサルタントが責任を持たないからです。普通は「責任を持たないなら口出さないでくれ」と思うものです。内部の人間として働く場合、スタンスが違います。主体性がMAXで、本気で自分が一番率先して解決しに行こうという姿勢で手伝っているので、次第に社員も幹部も社長もその熱意に共鳴して、一緒に手伝い始めるという構造になります。それをどのように呼んだら良いのかと考えたとき、「COO代行」という呼び方が一番近いと感じ、後付けでその名前がついたということです。

ー どうしたら、COO代行のスキルを手にすることが可能となるのでしょうか。

本書で述べている6つの能力は非常に基本的なスキルですが、これらを一つ一つ高めることで、相乗効果によって全く別次元の戦闘力が身につくと考えています。それらの能力とは、「聞く力」「話す力」「考える力」「書く力」「読む力」、そして「心の整え方」です。

これらの6つの能力を具体的にどう整えて高めていくのかという点については、私自身の経験を通して実践しながら学びました。当時、私はこれらのスキルを高めようという意識ではなく、ただ泥にまみれて様々なベンチャー企業や中小企業を何とか立て直そうとしていただけでした。その結果、自然とこれらの能力が高まっていったのです。これらの経験を体系立てて人に教える段階に至った時、これらのスキルを分解して理解する必要がありました。現在、自分の塾で教え始めて4回か5回目になりますが、その中で次第に固まってきました。

ー 最後に改めて、、、誰もがCOO代行となるのは、可能、ということですね?

実際に私の塾で教えてきた受講生は100人以上おり、その多くが成果を出しています。中には年商が倍以上になった方もいます。ただし、もちろん全員が成功するわけではありません。成功した方々は、もともと実力があったからこそ成果を出せたのです。受講しても全員が年商を伸ばせるわけではありませんが、多くの方、感覚的には5割以上がビジネスに生かし、年商を伸ばしています。

なぜこれができるのかというと、私のアプローチが「弱点克服型」だからです。受験勉強を例にするとわかりやすいと思います。多くの人は得意分野で80点を取っているものの、他の分野では0点か10点程度しか取れていません。80点を90点にするのは大変ですが、5点しか取れていない英語を30点にするのは誰でもできることです。

このように、ビジネスの各分野でも、少しの努力で大きな改善が可能です。各分野で20点、30点、50点と少しずつ点数を上げていくと、総合得点が飛躍的に高まります。こうして総合力が上がり、ビジネス戦闘力が増していくのです。この方法は誰にでも実践可能で、多くの方が結果を出しているのはこのためです。

ー 働き方自体も、こうした発想を持つと変わってきますね。

与えられた役割を給料のことは一旦脇に置いてしっかりと果たすことが、後々のキャリアにつながることがあります。働き方の考え方として、これは非常に重要だと思います。

現在、多くの方は必要最低限の働き方をしがちですが、様々な経験を積むことでキャリアの総合力が上がります。結果として、独立する機会も増えるでしょう。昭和の時代に比べて、独立のハードルは大幅に下がっており、副業が認められるようになり、テレワークも可能になりました。今後、インディペンデントコントラクター、つまり独立して複数の仕事を持つ働き方が増えていくと思います。特に上の方の仕事、頭を使う部分はあまり肉体的な負担が少ないので、優秀な人たちが3社、4社と掛け持ちすることが可能です。

これは働き手が少なくなる少子化の社会において、中小企業にとっても非常に有益です。優秀な人材が複数の企業で活躍することで、企業もハッピーになり、働き手も自分のスキルを最大限に発揮できる世の中になるのではないかと思います。

ー 夢のあるお話をいただきました。本日はありがとうございました!