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16th July 2024

Creating a region that can compete with the world

世界と戦える地域を創る
地域に眠るポテンシャルを引き出す!日本一バズった公務員の次なる展開に迫る

Special Guest:MORITOKI TAKESHI

スペシャルゲスト:守時 健さま / 株式会社パンクチュアル 代表取締役社長


ー スペシャルゲストをご紹介いたします。株式会社パンクチュアル代表取締役社長の守時 健さまです。どうぞよろしくお願いいたします!

現在、私は「世界と戦える地域を創る」という理念のもと、地域商社パンクチュアルの代表として活動しています。「パンクチュアル」という名前の意味についてですが、中国語に訳すと「モリトキ」となるんです。ユーモアと親しみやすさを持たせて命名しました。

活動内容としては、私が市役所で働いていたときの経験を活かし、様々な地域活性化プロジェクトを手掛けています。例えば、ご当地キャラやゆるキャラの運営などを展開しています。また、高知県で最大のECサイトの運営や、大規模な商品展開、さらには海外展開も行っています。具体的には、地域の特産品や文化を活用し、国内外の市場で競争力のある商品を発信することで、地域経済の活性化を図っています。これにより、地域の魅力を全国や世界に広めるとともに、地元の産業や観光の発展を支援しています。私たちは地域商社として、地域の課題を解決し、持続可能な地域社会の実現を目指して日々活動しています。

ー 守時さんは「日本一バズる公務員」として大変有名でいらっしゃいます。

須崎市という人口約2万5千人の小さな自治体で活動していました。上司や市長の理解があって、自由にやらせてもらっていましたね。「君がそう思うならやってみたら」という感じでした。また、市長から「君、そろそろ独立したら?」って言われて、公務員の仕事をそのまま持ち出す形で独立しました。ふるさと納税やゆるキャラの分野は大企業がどんどん参入してきていて、3年に一度異動がある市役所に居続けてずっと勝ち続けるのは難しいと思ったんです。

ー ゆるキャラのしんじょう君についてお伺いさせてください。

現在X(旧Twitter)で12万人以上のフォロワーがいます。市の情報発信は広報誌などが主だったのですが、可愛らしいキャラクターが情報を発信すれば、もっと多くの人に興味を持ってもらえるかなと思ったのが最初です。

ー その結果、ふるさと納税が大きく伸びたんですよね。本書のプロフィールでは1000倍となっていますが、、、

そうですね。去年は34億円に達しましたので、さらに増えています。1700倍です。実は、200万円だった頃に「1年で5億、2年で10億、3年で15億くらいは行くかな」と予測していました。その点では予想通りになりましたが、今の数字までは予想していませんでした。

寄付者様のニーズに応じた商品を季節やトレンドに合わせて作っていくことが大切です。また、商品の写真の見せ方にも工夫を凝らしています。さらに、キャラクターやVTuberを使った情報発信も効果的でした。

しんじょう君のキャラクターを活かして、日常的な投稿やイベント情報を発信しました。また、フォロワーとのやり取りを大事にして、親しみやすいキャラクターとして認識してもらうよう心掛けました。おかげさまで地域の知名度も上がり、多くの観光客が訪れるようになりました。地域経済の活性化にもつながっていると感じています。

ー ゆるキャラって、分析すると特徴があるとか!?

そうですね。目が合って特産品をいっぱい持っていると、逆に心理的な抵抗感が生まれてしまうことがあるんです。なので、そういうデザインに合致するものを選ぶようにしています。しんじょう君は400ぐらいのアイディアから生まれました。ニホンカワウソのキャラクターということで発表した翌月に、ニホンカワウソが絶滅したというニュースが出てきて、これは大変でした笑

とはいえ、絶滅種に指定されたと言っても、何十年も見つかっていなかったので、そういうものかなと受け止めました。

ー ゆるキャラの主戦場はSNSと掲げられていたと伺っています。

完全にそうです。ゆるキャラブームはSNSと非常に相性が良かったと思います。くまもんやふなっしーも、SNSを上手に使ったことが大きかったです。自治体側も、今までは広報誌やテレビなどのメディアに頼るしかなかったのが、自分たちで情報を発信できるようになったというのは大きな時代の流れですね。

ただ、認知されることやフォロワーが増えることにあまり重きを置かない方が良いと思います。もちろん大事なことですが、例えば青森県を知らない人はいないけれど、青森県に行ったことがある人は少ないかもしれませんよね。しんじょう君の場合も、知ってもらうことよりも、好きになってもらったり、ふるさと納税をしてもらったり、遊びに来てもらうことが大事だと思っています。

ー ゆるキャラの活用は、今から始めるとしても遅くはない?

時代が変わり、いまステルスマーケティングがダメになっているので、何かを宣伝する時もインフルエンサーさんとか有名人から紹介されたらPRというタグを入れなければいけません。ゆるキャラだとそれが必要なかったりするので、そういう時代背景を考えても、一層重要になってくるんじゃないかな、というふうに思っています。

ゆるキャラは、本当にさまざまな分野で相性が良いと感じています。参入障壁は非常に低く、ほぼゼロと言っても過言ではありません。多少のランニングコストはかかりますが、そこまで大きな投資を必要としません。また、ゆるキャラを使った活動は楽しいという点も大きな魅力です。皆さんもうちょっと活用してもいいのかな、というふうに思っています。

ー 東京一極集中が抱える問題点、についてもお話を伺わせていただけますか?

東京一極集中の問題はかなり深刻です。東京は地域から優秀な若者が集まることで発展してきましたが、地域が衰退すると東京の競争力も低下してしまいます。東京に来ると出生率が著しく低下するという問題もあります。この循環が続くと、地方も活力を失い、優秀な若者を輩出できなくなります。そのため、地域を活性化させることが、東京が世界において競争力を保つためにも必要なんです。

地方創生に取り組む会社は大きく2つのパターンに分かれると考えています。一つは、地方支援をボランティアとして行う会社で、持続可能性が低いもの。もう一つは、地方創生を儲かるビジネスとして捉え、補助金などを利用して利益を上げる都会の会社です。どちらも理想的とは言えません。地域に密着しつつも、ちゃんと利益を上げる持続可能なモデルが必要です。そこで、株式会社パンクチュアルは、地域に密着しつつも、利益を上げるビジネスモデルを実現しています。

地域の商品が一つ売れると、他の地域の商品が売れなくなるというゼロサムゲームではなく、日本の地域をそのまま海外に展開することで、新たな市場を開拓していこうとしています。

ー 最後に、世界と戦える地域を創る、パンクチュアルの今後について、想いをお聞かせいただけますでしょうか。

これから、医療、福祉、農業、漁業分野においてさらなる進出を目指すことがあるかもしれません。これらの分野は地域の根幹を支える重要な要素であり、地方創生に不可欠な要素です。実際に、既に農業や漁業に積極的に関わり始めています。これらの分野は地域経済の基盤であり、地域の自立を支える重要な産業です。農業や漁業の革新を通じて、地域経済をさらに活性化させることを目指しています。

ー 地域創生の類まれなるリーダーに、本日はお話を伺いました。ありがとうございました!